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【 劣等生の抵抗 】


 俺にとって女はゲームと同じ。

 いかに短期間で攻略し、最終的にSEXに及ぶか。

 それを仲間内で賭けたりもする。

 女に本気になった事なんかねーし、そういうのめんどくせーし。

 大体、女なんてロクなもんじゃねーよ。

 今、俺の下で喘いでるこの女だってそうだ…

「ハァ、あぁ…あん、陸ぅーもっと…もっと動いてぇー…」

 婚約してすら身持ちの軽いバカ女。

 根本的に女の本性なんて知れやしない。

 そんなの相手に愛だ恋だやってらんねーよ。

 気持ちよくSEX出来ればそれでいいじゃん?

 だから適当に口説いて、適当に食って、適当に終わらせる。

 調子よく話しあわせてれば、そこらじゅうに遊べそうな女はいるしな。

 その為のパーティーでもあるわけだ、ははっ。

「ンッ…陸、イィー…っあぁ!っぁあ…」

 軽いクスリでメロメロになっている女を、俺は冷めた目で見下ろした。

 躰はSEXの快感に猛ってる。

 トロトロに溶けて吸い付いてくる女の体内は気持ちがいい。

 でも、今日はやけに心が冷めていた。

 そういえば最近、なにをしててもつまらねーんだよな…

 その原因は薄々分かってんだけど…

「あぁー、クソッ!」

 とっくに快感しか追えなくなった女に、いくら悪態ついたって聞こえちゃいないだろうと、俺は口汚く罵った。

 むしゃくしゃした気分をぶつけるように荒っぽく腰を振る。

 最高潮に高まってフィニッシュを向かえる瞬間、決まって脳裏に浮かぶのは…





「納得いかねーんだよ、チクショー…」

 ここ最近、俺はなにをやってもすっきりしない。

 裏開催の乱交パーティーも、女を落とすゲームも、これまで刺激的に感じていた物事全てがどうでもいい。

 全ての事に辟易していた。

「今日のパーティーは格別につまらねー…チッ!」

 あれだけ犯してやっても底なしに欲しがる女には反吐が出る。

 マジ萎えるっつの!

 俺はラリったままの女を他の奴に押し付けVIPルームを出た。

 溜まってた精子をしこたま出したってのに、一向に気が晴れない。

 まだパーティーも中盤だってのに主催がこんな調子でどうすんだ?

「なんなんだ、くっそー…」

 イライラと心が尖る。

「つうか、なんでアイツが出てくんだっつの!」

 忌々しい現実。

 そろそろ認めるしかないだろう。

 俺は最近、達く時は決まってアイツを思い浮かべている。

 俺が一番嫌いなタイプの人間。

 中途採用の美術講師、鈴原むぎ。

 あのマジでムカつく生意気な女の事を、だ…

「ありえねぇー…」

 でもいくら掻き消そうが打ち消そうが無駄だった。

 考えないように努力しても全てが徒労に終わる。

 俺はどうしたって最後は必ずアイツで達く。

 バケツの水を飲み乾すような可愛げのない女で、だぜ…

「あぁー…胸糞ワリー、チッ!」

 いっそ、マジで犯してやろうかとも思う。

 だがそれは無理な話しだ。

 なんでか知らねーけどアイツ、御堂の庇護下にいるみてーだしな。

 それも気に入らない事の一つ。

 なによりムカつくのは、サボらず授業に出てる自分の行動だ!





 そんな事を悶々と考えていたら、本人が現れやがった。

 しかもまたランクの高い男を従えて…

「九条くん、お願い!」

 安藤、安藤って、なにやってんだよオマエ?

 俺に他のヤローの話しなんかすんじゃねーよ!

 そんなに聞きたいなら一人で出直して来いっつの!

 マジで勘弁してくれ…

 機嫌悪い俺に追い討ちかけて、そんなに楽しーかよ?





 俺は奴等を適当にあしらって追い帰す。

 あんまりナメた真似してっと…

「…そのうち浚って犯しちまうぞ?」

 俺は誰にともなく呟く。

「浚う?」

 …御堂達の手の届かない所まで連れて行くってか?

「どこにもねーよ、そんなとこ」

 ハンッ、第一それじゃまるで駆け落ちじゃねーか……

「…って、バカかよ!」

 なんで俺が今の地位を捨ててまでアイツに手を出さなきゃならねーんだ。

 だいたい駆け落ちってなんだよ?

 ダッセー…

「そんなダッセー真似できるか!」

 俺は安藤征志じゃねーんだよ。

 あーヤダヤダ。

 …それに合意じゃねーから駆け落ちにすらならねーよ、俺とアイツの場合。

「ふんっ、やめたやめた!」

 バカらしい…





 ただ、少しだけ…

 認めたくはないが、ほんの少しだけ…

 安藤征志の気持ちが分かった気がした。

 全ての女を整理して、自分の身辺綺麗にして…

 一人の女と一緒に、誰の邪魔も入らない場所へ…





「………クッソー!」

 んな訳あるか!

 誰が羨ましいもんかよ。

 安藤はただのバカな男。

 んでもって、単なる愚か者だぜ。

「俺は上に行ってやらー、んで、自由にやってくさ!!」

 やっぱ、認めるわけにはいかない。

「誰が認めるかっつの、フンッ…」





 負け犬の遠吠えだっていい。

 …俺にアイツを浚う度胸はねーんだ。





【END】








ハミ出し妄想コーナーの第二弾は九条陸でしたーvv
樋山城もだけど、素直じゃない子が続いていますね(笑)


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