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「………」 「……………えっと…」 珍しく重々しい雰囲気に、私が不安になりかけた頃だった。 「あっ、まさかねぇちゃん…」 「ぅえっ?」 「あんたアレか?」 「…アレって?」 「玉の輿願望が激しく強い人間だったとかなのか?」 「え?」 「金か? 全ては金なのか?」 「ちっ、違うよ!」 「………」 「………」 「強欲ババァ…」 「…はぁ?」 ふみは小さく呟いて、わざとらしく悲壮な顔で続ける。 「嘆かわしいぞねぇちゃん、我が姉ながら情け無い」 「えっ、ちょっ…」 「まさかねぇちゃんがそんな俗物だったとは…玉の輿目当てで見合いまでするなんて、そんなにまで金に執着してたのか…」 「………」 「………」 「ふ・み・く・ん…」 「なんですか、おねえ様?」 「違うって言ってるでしょ」 「なら、訳を言えよ訳を」 さっきまでの重い空気は嘘のように消えていた。 いつも通りのやりとりに、私はなんとなく安堵する。 「…ふみなんてもう知らない」 「は?」 「おねえちゃんに強欲ババァとか言う子には、もうなーんにも教えてあげません!」 「おっ、おい!」 べっ、とふみへ舌を出し、私は不貞腐れたフリをして居間を後にした。 上手く誤魔化せた…かな? こんなに追求されると思ってなかったから、つい話しちゃったんだよね。 お見合いの事はともかく、ふみにあの事は内緒なんだから迂闊なことはもう言わないに限る。 これからはもっと慎重に… 「気をつけなきゃ」 ― 了 ―
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