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私の何気ない一言に、テレビに気を取られ曖昧な返事を返していたふみが食いついた。 テレビを見ていた姿勢はそのままに、首だけが勢いよく向けられる。 「…はぁ?」 なにをそんなに驚いてるんだか、しきりに瞬きを繰り返し「今、なんて言いました?」と聞いてくる。 「だから、なかなか楽しかったよ」 「いや、その前」 「…セオリーっぽくてね?」 「いやもっと前」 「えっと…今日お見合いしてきたんだけど、かな?」 「そう、そこ、それ!」 「うん、それがどうかしたの?」 ふみは声を裏返しながら「どうかしたのじゃないだろう!」と叫ぶ。 「お見合いってなんだよ、お見合いって!」 「え?…結婚を前提にした男女が顔をあわせて相手を見定めたりする席、かな?」 「親切丁寧にご説明をありがとう、って違うだろ、そんな事は知ってるよ」 「じゃあ聞かないでよ」 あぁもう、とふみがじれったそうに呟いた。 「…お姉さま、あなたはいったい幾つですか?」 「16だよ、ふみと同じに決まってるじゃない」 「じゃあなんで?」 「だから、なにが?」 要領を得ない質問に、私は頬を膨らませる。 「だーかーらー、なにがじゃ無いだろ!」 「………」 「お願いだから、そこで本気で考え込むのは止めてくれ、頼むから」 「だって…」 本当になにが聞きたいのか分からないんだもん。 言わなくてもふみには伝わったようで、返って来たのは大きな溜息だった。 ― 了 ―
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